日本消化器内視鏡学会雑誌
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ラジアル・リニア切り替え型細径超音波プローブによる食道・胃病変観察の経験
柳井 秀雄松元 裕輔原田 稔也三谷 伸之檜垣 真吾時山 裕西明 真松浦 伸二郎吉田 智治多田 正弘沖田 極南園 義一戸田 智博長崎 進
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1996 年 38 巻 1 号 p. 101-109

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抄録

ラジアル・リニア切り替え型細径超音波プローブ (FUJINON,SONOPROBE SYSTEM,SP-501,20-MHz) を用いて,食道癌10病巣・食道異形成2病巣・食道平滑筋腫3病巣・良性食道狭窄1病巣・胃癌5病巣の超音波内視鏡検査 (EUS) を行った.内視鏡直視下に,まずリアルタイムのラジアル走査により病巣の全貌を把握して腫瘍最深部等の関心領域を設定し,引き続き手動のリニア走査にて詳細な観察を行った.従来のEUS機器では小病巣において描出不能例が経験されたが,本機では全例で病巣が観察できた.腫瘍深達度診断に関しては,従来の細径リニアプローブと同様に超音波減衰等の問題点が経験された.しかし,2つの走査方法を兼ね備えた高周波数超音波プローブの特性を生かし対象を表在小病巣とした場合の,SP-501の有用性が期待された.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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