日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
Print ISSN : 0387-1207
ISSN-L : 0387-1207
大腸結節集簇様病変の臨床病理学的検討―進行癌化例を中心に―
岡村 正造瀬川 昂生大橋 信治三竹 正弘中川 浩金森 信一藤井 康彰神谷 健司山本 義樹浅井 俊夫
著者情報
ジャーナル フリー

1996 年 38 巻 1 号 p. 3-10_1

詳細
抄録

2cm以上の結節集簇様病変39例の病理診断は腺管絨毛腺腫が25例と腺管絨毛腺腫内癌が14例(深達度m5例,sm3例,mp2例,ss4例)で,病変発生部位はR18例,AC12例,S5例,T4例で,深達度mp以深の進行癌に限るとR5例とC1例であった.病変の大きさは腺腫は平均33.6mm,m癌41.8mm,sm癌50.3mm,mp癌45.5mm,ss癌82.0mmで,mp,ss癌は全例癌の深部浸潤部に一致して肉眼的に明かな陥凹部を認め,その大きさは癌の進行とともに増した.sm以上の癌は9例中6例が中分化型腺癌で,脈管侵襲は全例ly(+),4例がv(+),5例がn(+)であった.予後は,早期癌症例は全例良好であったが,進行癌症例6例では3例が遠隔転移をきたして死亡し,進行癌化例の予後は良好ではなかった.

著者関連情報
© 社団法人日本消化器内視鏡学会
前の記事 次の記事
feedback
Top