日本消化器内視鏡学会雑誌
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経乳頭的レーザー切石が奏効したbiliobiliary fistula合併胆嚢胆管結石の1例
大島 忠之神谷 泰隆星野 信早川 富博大原 弘隆山田 珠樹山田 尚史稲垣 孝憲中沢 貴宏内田 淳夫宮治 眞武内 俊彦
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1996 年 38 巻 11 号 p. 2662-2669

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抄録

親子ファイバー下にレーザーを用いて切石したbiliobiliary fistula合併胆嚢胆管結石の1例を報告した.症例は56歳男性,主訴は黄疸.日本酒1日4~5合,25年間の飲酒歴があった.患者は腹部膨満感,尿濃染を訴えて近医を受診し,胆管結石による閉塞性黄疸と診断され,経鼻胆道ドレナージ術後結石除去の目的で当院へ転院となった.肝硬変合併のため親子ファイバー下に経乳頭的にpulsed dye laserを用いて4回の切石を施行したところ,総肝管内に嵌頓していた結石は一時的に完全除去できた.しかし,biliobiliary fistulaを通じて胆嚢内の結石が胆管内に次々と排出された.そこでレーザー切石をさらに4回施行したところ,胆嚢内に大結石が1個残存したが,胆管内結石は完全に除去できた.その後胆管内への結石の排出もなく,退院後2年2カ月の現在まで自覚症状もなく,経過良好である.

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