日本消化器内視鏡学会雑誌
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早期胃癌と膵solid cystic tumorを合併した大腸結節集簇様病変の1例
新田 康夫中村 常哉小林 世美越川 卓
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1996 年 38 巻 12 号 p. 2894-2900_1

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抄録

症例は61歳,男性.主訴は下痢,血便大腸内視鏡,注腸X線検査,直腸Raに,病巣内に2型進行癌を併存する結節集簇様病変を認めた.また,胃体下部大彎にIIc型早期胃癌を膵体部にはエコー,CTにて腫瘤を認めた.上記診断にて手術が施行され,直腸病変は病巣内の口側に深達度ssの中分化型腺癌を伴う腺管絨毛腺腫であった.胃病変はIIc型胃癌,深達度sm,中分化型管状腺癌,膵臓の病変はsolidcystic tumor(SCT)であった.大腸結節集簇様病変では他部位の大腸癌や他臓器の癌を合併することが多いとの報告があり,他臓器の病変も念頭においた術前の検査の必要性が示唆された.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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