日本消化器内視鏡学会雑誌
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アルゴンプラズマ凝固法による内視鏡治療の試み
村上 匡人水上 祐治矢野 春海西野 圭一郎中村 早苗二宮 朋之松井 秀隆今峰 聡大塚 廣海恩地 森一
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1997 年 39 巻 8 号 p. 1446-1453

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抄録
 アルゴンプラズマ凝固(Argon Plasma Coagulation;以下APC)はアルゴンガスを媒体として高周波による凝固を行うもので,組織に接することなく目的とする部位の組織凝固が可能である.このAPC法は内視鏡に使用可能なプローブの開発に伴って内視鏡治療の分野に導入された.熱凝固による組織学的な影響は表層のみであり,表層凝固完了後に故意に高周波による放電を加え,表面を炭化させた場合でも凝固は粘膜下層にとどまった.臨床応用を9例に試みたが,悪性腫瘍からの出血2例を含む消化管出血5例の緊急止血ではいずれも完全止血を得た.粘膜切除後の追加治療2例や手術不能の悪性腫瘍に対しても凝固治療を行ったが,腫瘍の残存や再増殖を認めなかった.新しい試みとして食道静脈瘤硬化療法後の地固め療法にも応用した.治療による重篤な副作用もなく,非接触凝固のため一度に広い範囲を治療することが可能であり有用性が高いと思われた.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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