日本消化器内視鏡学会雑誌
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Helicobacter pylori除菌治療後に新たに発生した逆流性食道炎の3例
平井 雅道登谷 大修橘 良哉福岡 賢一田中 延善三井 毅浅田 康行飯田 善郎三浦 将司藤沢 正清
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1997 年 39 巻 9 号 p. 1630-1633

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抄録

Helicobacter pylori (HP) 陽性の胃十二指腸潰瘍患者117名にプロトンポンプ阻害剤 (オメプラゾールまたはランソプラゾール) ,抗生物質2剤 (クラリスロマイシン,メトロニダゾールまたはアモキシシリン) ,エカベトナトリウム (またはパラプレジンク) にて除菌療法を行い,HP感染治癒後,新たに有症状の逆流性食道炎の発生を3症例に認めた (発生率2.6%) .2症例は十二指腸潰瘍で1症例は胃潰瘍であった.3症例とも除菌療法前後はH2受容体阻害剤を投与されていた.このように酸分泌を抑制しているにもかかわらずHP除菌後に逆流性食道炎の発生をみることがあり,注意が必要と考えられた.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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