日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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バレット食道の発生および生物学的特性に関する研究
坂口 文秋
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1998 年 40 巻 2 号 p. 139-149

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抄録
バレット食道は癌合併頻度が高く,臨床的には厳重な経過観察を要する疾患であるが,食道粘膜の円柱上皮化が惹起されるまでの期間,その発生部位,さらにバレット食道の生物学的特性などについては未だ不明である.そこで前2者については,ラットを用いて術後逆流性食道炎モデルを作成し,経時的に食道の円柱上皮化を観察した.その結果,実験モデルでは術後4カ月目から点状に,吻合部とは離れて発生していた.後者については,臨床例の材料から細胞核DNA ploidy patternを分析した.結果は,正常粘膜や胃潰瘍の再生上皮には見られないAneuploidyやMosaic patternがバレット食道には認められたが,癌に見られるような頻度ではなく,中間の頻度を示した.以上より,バレット食道は,細胞核DNA量で多倍体化や異数倍体が目立ち,厳重な経過観察が必要であり,その前段階としての逆流性食道炎症例ではバレット食道発生を念頭においた観察が重要である.
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