抄録
内視鏡の診断法を広く一般臨床家が利用できるようになったのは胃カメラの開発を始め日本人の努力と工夫の賜である.しかし内視鏡診断はあくまで表面診断であり,病変の内部構造を知る手段として超音波内視鏡(EUS)が1980年代に登場して来た.その後,EUSは内視鏡器具,超音波発信技術の工夫,改良により急速に普及,発展し今や消化管,肝内胆管,肝外胆管,膵管など消化器の分野において内視鏡の到達可能なすべての領域で可能となっている.また,細径超音波プローブ,血流測定,超音波下での穿刺や3次元表示が可能となった.今後,治療面面においても炎症や腫瘍に対する局所的処置が一般的になることであろう.更に現在発展しっつある遺伝子治療などへの応用も可能になるとおもわれる.