日本消化器内視鏡学会雑誌
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超音波内視鏡下穿刺吸引細胞診が診断に有用であった直腸子宮内膜症の1例
水谷 佐世子大橋 計彦山雄 健次古川 剛松浦 昭栗本 組子中村 常哉鈴木 隆史渡邊 吉博
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1999 年 41 巻 1 号 p. 60-64

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抄録
 超音波内視鏡下穿刺吸引細胞診で術前診断が可能であった直腸子宮内膜症の1例を経験したので報告する.症例ば41歳,女性.主訴は便秘と右上腹部不快感で,大腸造影検査と大腸内視鏡検査で直腸粘膜下腫瘤が指摘された.組織診断のため内視鏡下の生検を試みたが確定診断が得られなかったため,超音波内視鏡下の穿刺吸引細胞診を実施した.その結果,粘膜下の腫瘤から微繊毛を伴う内膜腺上皮細胞や間質細胞が確認され,異所性子宮内膜症と診断し手術にて確認した.直腸子宮内膜症は良性疾患であり,術前の確定診断が得られれば,治療の第一選択はホルモン療法が好ましいと考えられ,今後は本検査を用いることで適切な治療法の選択が可能になると考えられた.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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