日本消化器内視鏡学会雑誌
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十二指腸に穿破し大量出血を来した胃十二指腸動脈瘤の1例
眞部 紀明大越 裕章日高 徹武田 祥佳藤本 佳史明崎 満奥原 種臣
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1999 年 41 巻 2 号 p. 176-181

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抄録
 患者は70歳男性,下血を主訴にショック状態となり緊急入院した.緊急内視鏡検査を施行するも十二指腸に粘膜下腫瘍様隆起を認める以外出血源は不明であった.出血シンチ,腹部CT,超音波内視鏡検査にて胃十二指腸動脈瘤の十二指腸穿破を疑い,血管造影検査にて確診した.その後,再び出血性ショックとなり緊急手術となった.動脈瘤は十二指腸second portionと癒着しており,一部に瘻孔を認めた.動脈瘤壁は,中膜筋層の萎縮と部分的に石灰沈着を認め,動脈硬化性病変に一致していた.術後,再出血なく経過良好である.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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