日本消化器内視鏡学会雑誌
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特異な胆管像を呈した総胆管結石症の1例
小沢 俊文中澤 三郎乾 和郎芳野 純治若林 貴夫奥嶋 一武中村 雄太高島 東伸鵜飼 宏司三戸 隆江藤 奈緒
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1999 年 41 巻 2 号 p. 203-209

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抄録
 症例は88歳,女性で,主訴は全身倦怠感と黄疸であった.平成9年8月より主訴が出現し,肝機能障害の精査目的に当院に入院となった.腹部超音波検査では総胆管内に3個の結石エコーを認めた.ERCPで肝外胆管は憩室様突出と狭窄を交互に繰り返し,全体として『昆布様』形態を呈していた.PTCSにて切石を実施した後の観察では,胆管内に瘢痕と憩室様突出が多発していた.胆管内超音波検査では瘢痕部で第2層の著明な肥厚を認めたが,憩室様突出部では壁肥厚はみられなかった.胆管生検では上皮のびらんと炎症細胞浸潤および線維性結合組織の増生を認め,肝生検では肝内胆管周囲の軽度のリンパ球浸潤のみであった.原発性硬化性胆管炎との鑑別診断に関し直接胆道造影所見が重要かつ有用であり,病因として動脈硬化を背景とした胆管周囲動脈叢の虚血や結石を含めた何らかの炎症による可能性が考えられた.
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