抄録
過去5年間に当センターで経験した大腸m癌外科切除35例の外科切除を選択した理由を内視鏡所見から検討し,内視鏡切除の限界および問題点を考察した.内視鏡切除が困難であった症例は19例あり,このうち腫瘍最大径が大きいため外科切除を選択した症例は13例で,腸管径に対する腫瘍径,すなわち"相対的大きさ"が重要であった.他の理由で内視鏡的切除困難であった6例はnon-lifting sign陽性m癌が2例,病変挙上したがsnaringに至らなかったIIc病変が2例,虫垂入口部上の病変が2例であった.直腸Rb病変の8例は断端陰性の得られやすさから局所切除を選択した.また内視鏡所見でSMmassive'以深癌と過大評価された症例が8例あった.大腸m癌は内視鏡切除を行うべき病変であるが,外科切除を選択せざるを得ない症例は存在し,また外科切除の持つ長所,利点もあり,術式選択にはこの点を充分に考慮し,治療方針を決定すべきである.