日本消化器内視鏡学会雑誌
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NSAIDsが原因と考えられ,内視鏡的止血術か奏効した出血性多発大腸潰瘍の1例
上田 博一郎占園 己俊松元 淳有馬 暉勝
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2000 年 42 巻 8 号 p. 1316-1322

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抄録

症例は56歳男性.急性扁桃炎の診断で抗生と非ステロイド系消炎鎮痛剤(NSAIDs)を投与中,下血した.緊急大腸内視鏡では全結腸に多発潰瘍を認め、盲腸の潰瘍より活動性出血がみられたためクリッピングと純エタノール局注にて止血した.原因としてNSAIDsが疑われた.NSNIDs投与中止後,病変は速やかに改善した.下部消化管出血においても緊急内視鏡は有用であり,原区としてNSAIDsも念頭におくべもと思われせた.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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