日本消化器内視鏡学会雑誌
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手術不能な進行胃癌におけるUltraflex Esophageal Stent留置後のQOLについて
高田 正夫芳野 純治乾 和郎若林 貴夫奥嶋 一武小林 隆三好 広尚中村 雄太嘉戸 竜一渡辺 真也二浦 正剛江藤 奈緒加藤 芳理神谷 直樹中澤 三郎
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キーワード: 上部消化管悪性狭窄
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2001 年 43 巻 2 号 p. 145-152

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抄録

 【目的】手術不能で狭窄症状または画像にて,狭窄所見をきたした進行胃癌に対するUltraflex Esophageal Stent (以下Stent)の留置の効果を明らかにすることである.【対象・方法】対象は進行胃癌14例である.Stentを留置して,食事摂取量・内容,効果およびperformance status(以下PS)からみたStent留置の適応を検討した.【結果】Stentの留置可能であったのは12例(86%)であった.そのうち11例(92%)に摂取カロリー,9例(75%)に食事内容の改善が認められた,癌部からの出血を認めた10例中6例(60%)に貧血の改善を認めた.特に幽門部癌症例で顕著なquality of life(以下QOL)の改善年を認めた.また,PSが2以下の症例で経口摂取量の著明な増加や自宅療養可能な状態となった.【結論】胃悪性狭窄に対するStent留置は経口摂取を改善させ,QOLの改善に有用であった.また,PSはStentを留置する適応を決める重要な指標になると.考えられた.

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