日本消化器内視鏡学会雑誌
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内視鏡的止血と経動脈的塞栓術の併用で救命し得た慢性腎不全十二指腸潰瘍出血の1例
森脇 義弘吉田 謙一長谷川 聡北村 剛彦荒田 慎寿山本 俊郎杉山 貢
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2002 年 44 巻 5 号 p. 873-878

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抄録
 糖尿病性腎症で透析導入直後の45歳の男性.下血,ショックで緊急内視鏡施行,十二指腸下行脚に多発潰瘍を認めた.高張エピネフリン食塩水(HSE)局注で再出血を繰り返したため転院搬送された.2回の経動脈的塞栓術(TAE)で血流を制御し,引き続く内視鏡下HSE局注とクリッピングで緊急一時止血に成功した.透析患者の十二指腸潰瘍出血は,内視鏡的止血困難例が多い.このような例では緊急手術も危険で,TAEによる血流低下を併用した集学的止血法が有用と思われた.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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