2003 年 45 巻 5 号 p. 945-949
症例は44歳男性.2000年1月検診の上部消化管造影検査にて異常を認めたために施行された近医での内視鏡検査にて,胃前庭部に30mm大の隆起性病変を指摘された.2月に当院で施行した内視鏡検査では同部に粘膜下腫瘍を認めたが,サイズは15mm大と縮小していた,10月下血を認めたため施行された内視鏡では腫瘍表面の正常粘膜は脱落し,出血を伴う20mm大の円形の腫瘤の露出を認めた,病変に対し艶鏡下胃部分切除術を施行.病理見はinflammatory fibroid polyp (IFP)であり,腫瘍の形態変化,出血を伴った興味ある1例と考えられた.