日本消化器内視鏡学会雑誌
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シドニーシステムの評価に必要な胃生検材料の大きさについての検討
平嶋 麻里田辺 聡三富 弘之佐田 美和勝又 伴栄西元寺 克禮
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2004 年 46 巻 10 号 p. 2261-2266

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抄録

【背景・目的】これまで詳細な検討がなされなかったシドニーシステムに準じた生検病理組織診断に必要な胃生検組織の大きさについて検討を行った.【方法】生検鉗子(球形,孔付,針なし)の一方のカップに対する組織の大きさをフルカップ群,3/4カップ群,1/2カップ以下群に分類し,各群についてシドニーシステムのうち,「炎症」と「萎縮」の組織診断評価に十分な材料であれば2点,不十分を0点,その中間を1点として検討した.また,生検材料の組織計測も行った.【結果】「炎症」は,フルカップ群,3/4カップ群は1/2カップ以下群より有意に組織診断評価のスコアが高く,「萎縮」では,フルカップ群が他の2群より有意にスコアが高かった.組織計測では,フルカップ群は,他の2群よりも有意に組織片が厚く,粘膜深部まで採取された材料が多かった.【結論】シドニーシステムのうち,「炎症」と「萎縮」の両者を満足する生検病理組織診断を行うには,生検鉗子フルカップの組織採取が必要である.

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