日本消化器内視鏡学会雑誌
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内視鏡的内痔核結紮術119例の治療効果
冨木 裕一東山 明憲岡田 豪渡部 智雄仙石 博信鎌野 俊紀鶴丸 昌彦林田 康男関英 一郎櫻井 秀樹藤井 佑二権田 厚文
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2004 年 46 巻 4 号 p. 966-971

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抄録

【目的】内視鏡的内痔核結紮術(Endoscopic hemorrhoidal ligation: EHL)の治療効果について検討する.【方法】EHLを施行した119例の治療効果を,遠隔成績を含めて検討した.【結果】EHLの治療効果は,著効は67例(56.3%),有効は41例(34,5%),無効は11例(92%)であった,無効11例のうち3例が手術に移行し,他の8例は坐剤による保存的治療を継続した.主な合併症は肛門痛と出血であった.経過を追えた92例の累積5年無再発率は90.4%で,62例(67.4%)に永続的効果が認められた.しかし,22例(23.9%)はEHL後も症状に応じて適宜,坐剤,軟膏を使用していた,再発は8例(8.7%)で,4例は再度のEHLにより軽快したが,2例が手術に移行した.他の2例は坐剤による保存的治療による経過観察を行った.【結論】EHLは,内痔核の状態を把握し,その適応に合った症例を限定して施行すれば,効果的な治療法のひとつになると考えられた.

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