日本消化器内視鏡学会雑誌
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粘膜下腫瘍様の形態を呈した大腸m癌の1例
平澤 欣吾粉川 敦史富田 尚彦斎藤 紀文田中 克明今田 敏夫野澤 昭典堀内 襄二
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2005 年 47 巻 11 号 p. 2523-2529

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抄録

 症例は56歳女性.注腸X線検査にて,S状結腸に10mm大の粘膜下腫瘍(submLicosaltumor以下SMT)を認めた.大腸内視鏡検査にては,同部位に褪色調で頂部に浅い陥凹を伴うSMT様病変を認めた.内視鏡的に一括摘除した病理標本では,腺腫成分の合併のない高~ 中分化型denovo癌であった.さらに粘膜表面に露出する腫瘍はわずかで大部分は正常粘膜に覆われて粘膜深部に突出する形で存在し,粘膜筋板を越えて浸潤していなかったことより,粘膜下腫瘍様の形態を呈した深達度mの稀少な大腸癌であった.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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