日本消化器内視鏡学会雑誌
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Helicobacter pylori陰性のNSAIDs潰瘍に合併したDouble pylorusの1例
合志 聡小林 正明大嶋 智子黒岩 敬鈴木 健司本間 照青柳 豊
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2005 年 47 巻 11 号 p. 2535-2541

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抄録

症例は56歳女性,心窩部痛を自覚し来院した.3カ月前より肩関節痛に対して非ステロイド系消炎鎮痛剤(NSAIDs)を内服していた.上部消化管内視鏡検査にて前庭部大彎に活動期潰瘍を認め,潰瘍に接して十二指腸球部との瘻孔が見られ,Double pylorusと診断された.Helicobacter pylori(H.pylori)は,複数の検査より非感染と確認,NSAIDsが潰瘍の原因と考えられた.薬物療法にて消化器症状,潰瘍は改善したが,Double pylorusは残存した.H.pyloriの関与が否定されたDouble pylorusの報告は2例のみと極めて少ない.Double pylorus本邦報告例170例とその中でNSAIDsの関与が考えられる25例について文献的考察を加えた.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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