日本消化器内視鏡学会雑誌
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内視鏡的胆管アクセス法の変遷:precutの主流は今?
明石 隆吉清住 雄昭相良 勝郎
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2005 年 47 巻 12 号 p. 2623-2631

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抄録

Papillotomeの選択的胆管挿入困難例は,内視鏡的乳頭括約筋切開術の開発当初から内視鏡医を悩ませる問題点であった.その対処法として様々な胆管アクセス法が思考錯誤されて今日に至っている.近年,学会発表等でprecutという言葉が頻繁に聞かれるが,各々の手技には仔細な相違点がありそれら用語の使用には若干の混乱がみられる.今回,これら用語の統一化をふまえて,文献より各手技の特徴を検討した.また,報告されている文献数,症例数からみると,近年胆管アクセス法はneedleknife法のほか膵管括約筋切開術の報告も次第に増加している.偶発症発生率を文献的にみると,膵管括約筋切開術のそれはneedle knife法にくらべて低い傾向にあり,最も危惧される膵炎も重症例が少ない.precut施行に際して最も危惧される膵炎の発症予防を踏まえて,何れの方法がスタンダードとなりえるのか,膵炎予防として膵管ステント付加が必要であるかなど検討することが今後の課題と考えられる.

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