日本消化器内視鏡学会雑誌
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胆道ステンティング
伊佐山 浩通中井 陽介辻野 武川邊 隆夫小俣 政男
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2006 年 48 巻 12 号 p. 2816-2827

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抄録

胆道ステンティングは,胆管閉塞に起因する病態改善のために施行され,胆膵内視鏡治療の基本である.胆管炎症例に対しては緊急の胆管ステンティングが必要であり,外瘻(ENBD)が良いのか内瘻(Plastic stent)がよいのか,結論は付いていない.Randomized studyでは両者に差はなく,施設ごと,症例ごとの選択となっている.非切除の悪性胆道閉塞症例では,低侵襲な手技と,合併症が少なく,患者死亡まで開存しているステントが理想である.このような観点から,内視鏡的手技が選択され,PlasticstentからMetallic stentへとステントの主流が変遷してきている.中下部胆管閉塞症例ではUncovered metallic stentよりもCovered metallic stentの方が成績良好であることが示され,一定の結論が得られつつある.しかし,肝門部胆管閉塞ではエビデンスが少なく,選択すべき手技(経皮か内視鏡か),ドレナージ領域(片葉か両葉か),ステント(Plastic stentかuncovered metallic stentか)は混沌としている.現在のコンセンサスを中心に手技,ステントの選択のポイントと注意点,コツについて解説した.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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