日本消化器内視鏡学会雑誌
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経皮内視鏡的空腸瘻造設術
嶋尾 仁
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キーワード: 誤嚥性肺炎, 空腸到達法
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2006 年 48 巻 9 号 p. 2316-2322

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抄録
direct-PEJ (DPEJ)は1987年Shikeらにより報告された.その適応は胃食道逆流による誤嚥性肺炎,胃の幽門側狭窄や十二指腸狭窄などのgastric outlet obstructionを起こしている症例となり,PEGでの栄養管理が困難な症例である.技術的成功率は70%前後で,不成功の原因として内視鏡の透過光の確認や指押しによる穿刺腸管の同定が不可能であったことが,空腸ヘスコープを進めることが出来なかったなどが大きな割合を占めている.空腸へのスコープ挿入にはスコープの選定や技術的な工夫が必要であるし,穿刺空腸の同定には,X線造影などを使用することが重要である.合併症発生率は多数症例の報告では全合併症22.5%(69/307),重症合併症4.2%(13/307)で,PEGに比して重症合併症の発生率が高い.その発生時期についても3例はカテーテルの抜去時に起こっている.造設時以外にも重症合併症の発生があることに注意を払う必要がある.死亡率は0.3%(1/307)である.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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