2007 年 49 巻 10 号 p. 2732-2739
内視鏡的止血手技は,薬剤散布法,機械的止血法,薬剤局注止血法,組織凝固法の4つに大別される.それぞれ長所や短所があり,内視鏡医は出血の状況や原因疾患によってこれらの手技を適切に使い分けることが大切で,得意な手技を2つ以上習得する必要がある .緊急内視鏡に臨む際には,全身状態や基礎疾患・服薬状況を把握し,十分なインフォームド・コンセントと感染管理に配慮する.よい視野を確保することが止血成功への鍵であり,必要に応じてスコープの選択や先端透明キャップを用いる.内視鏡的止血術を行っても出血のコントロールが出来ない場合には,時期を逸しないように外科的治療やInterventional radiologyに移行する必要がある.