日本消化器内視鏡学会雑誌
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世界消化器内視鏡学会(OMED)の活動
丹羽 寛文
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2008 年 50 巻 1 号 p. 3-21

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抄録

 世界消化器内視鏡学会OMEDは,独立した消化器内視鏡学会を持つか,あるいは消化器病学会内に内視鏡部門が独立したグループとして活動している国あるいは香港などある特定の地域の学会を会員としており,現在全世界で80あまりの国あるいは地域の学会が会員となっている. OMEDは,1966年に国際内視鏡学会International Society of Endoscopy (ISE)として設立され,第1回国際会議は同年東京で開催された.さらに1976年7月には,より包括的な名称である世界消化器内視鏡学会OMEDに改名されている.OMEDの最も大きい業務は国際学会議の開催で,以後第2回から第11回まで4年に一度学会議を開催してきている.筆者は2002年3月より2005年9月まで,OMEDのPresidentとして学会の運営に当たってきたが,OMEDの活動の方向は定款に明記されており,これらの活動はOMED内に設けられた各種委員会を通じて行われている.委員会には常時設けられたStanding Committeeと,必要に応じて臨時に設けられるAd hoc Committeeがある.筆者在任中のこれら委員会の活動状況を詳細に述べた.また2003年,2005年には,国際胃癌学会に際し同学会との併催でOMED Spring Meetingを開催している.また日本の早期癌がなかなか各国の理解を得られない状況の中で,フランスのLambertの主導でOMED協力の元に,パリでEpitherial Tumorのタイプ,分類等について国際検討会を開催し,その成果を,Gastrointestinal Endoscopy誌上に発表している.これらの諸事業は,Presidentの退任後も筆者は前Presidentとして引き続き活動を続け,特にアジア地区ではアジア太平洋消化器内視鏡学会と協力して活動に当たっている. 本論文では,OMEDの創設時の状況とその後の発展,筆者の在任中の活動を主体に述べ,将来に向かってのOMEDの方向性を紹介した.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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