日本消化器内視鏡学会雑誌
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カプセル内視鏡が病勢の把握に有用であったHenoch-Schonlein紫紫斑病の1例
井元 章森田 英次郎村野 実之能田 貞治阿部 洋介井上 拓也村野 直子年名 謙江頭 由太朗梅垣 英次樋口 和秀
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2008 年 50 巻 2 号 p. 223-229

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抄録

症例は17歳の女性.Henoch-Schönlein紫斑病の診断でプレドニゾロン(以下PSL)の投与を開始した.上部・下部内視鏡検査にて病変が軽微であるにもかかわらずPSL投与後も腹痛が遷延するため,カプセル内視鏡を施行した.同検査にて観察した小腸もびらん・発赤が散見されるのみで潰瘍形成は無く病変は軽微であると判断し,PSLを減量し得た.上部・下部内視鏡所見と臨床症状が乖離する場合小腸内視鏡の観察が必要であり,低侵襲なカプセル内視鏡が有用である.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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