日本消化器内視鏡学会雑誌
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非定型抗酸菌症の治療中にみられた食道メラノーシスの1症例
土亀 直俊村上 晴彦村田 友佳前田 将臣西 潤子緒方 一朗加古 博史本田 由美
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2008 年 50 巻 4 号 p. 1099-1103

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抄録

75歳男性,4年前肺癌の手術時に非定型抗酸菌症の合併を指摘され投薬(rifampicin,levofloxacin)をうけ内服中である.健診目的で受けた内視鏡検査で,食道上部から末端部まで黒色粘膜を認めた.均一の薄い黒色調で上部は帯状の正常粘膜が数条混在し,末端部近くではこの粘膜は消失しほぼ黒色を呈した.生検所見弱拡大で粘膜上皮に黒褐色の色素沈着を,強拡大では粘膜固有層に黒褐色の色素を貪食した組織球系細胞を認めた.投薬を休止した6カ月後にはこの色素沈着は全く消失していた.これらの薬剤による報告はないが,経過から非定型抗酸菌症の治療に伴った食道メラノーシスと診断した.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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