日本外科感染症学会雑誌
Online ISSN : 2434-0103
Print ISSN : 1349-5755
原著
ICUにおける重症腹部感染症患者に対する抗菌薬治療の検討
高橋 希中田 孝明織田 成人
著者情報
キーワード: 腹部感染症, ICU, 抗菌薬, 耐性菌
ジャーナル フリー

2018 年 15 巻 1 号 p. 001-006

詳細
抄録

重症腹部感染症患者に対し抗菌薬の適切な投与方法を評価するためには,感染巣の制御の有無によらず抗菌薬治療が転帰に与える影響を検討する必要があるが,報告は依然少ない。そこでわれわれは2013年4月から2016年3月の3年間に当ICUに入室し,腹部感染症と診断された86症例を対象として,患者背景,各種培養結果,抗菌薬治療および転帰について診療録をもとに後方視的に調査した。単変量解析の結果,28日死亡群は生存群に比して,初回に抗菌薬が単剤より複数剤投与されている割合が高く,総抗菌薬投与期間が長く,耐性菌の検出率が高かった。さらにこれらの中で多変量解析でも抗菌薬複数剤投与および耐性菌の検出は28日死亡と有意に関連していた。複数剤投与による影響や,どのような耐性機序が死亡と関連するのか,今後さらに症例を集積して検討する必要があると考えられる。

著者関連情報
© © 2018, 一般社団法人 日本外科感染症学会
次の記事
feedback
Top