日本外科感染症学会雑誌
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エンドトキシン吸着カラム(PMX-DHP)は有用か?
真弓 俊彦首藤 瑠里椎野 明日実舛本 直哉岡本 直通佐藤 直人手嶋 悠人草永 真志秋本 倫太郎宮川 一平花石 源太郎弓指 恵一大坪 広樹
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2018 年 15 巻 3 号 p. 242-247

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抄録

Polymyxin B(PLB)はエンドトキシンを吸着する作用があり,PLBを結合させたカラム(PMX-DHP)が日本で開発された。日本では PMX-DHPが早い段階で保険適応となったこともあり,有用性を評価するための質の高い研究が行われてこなかった。海外では現在まで敗血症性ショック患者を対象とし死亡率をアウトカムとする比較的大規模な RCTが 3件行われたが,1件は有意な有用性を示したものの,1件は差がなかった。1件の RCTはプレスリリースでの結果公表の段階であるが,primary outcomeでは有意差がないものの,post-hocの subgroup解析では有意に死亡率を減少した。敗血症の標準診療が普及し,死亡率が低下しつつある現在において,死亡率を outcomeとして有意差を得ることはますます困難になりつつあるが,これはすなわち,PMX-DHPを始め多くの治療法は,ある限られた患者群でのみ有用である治療法であることを示唆し,適応をよく考慮して使用すべきと言えよう。

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© 2018, 一般社団法人 日本外科感染症学会
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