2018 年 15 巻 6 号 p. 639-644
Ulcerative Colitis (UC)に対する免疫抑制系薬剤で治療中に発症する Pneumocystis Pneumonia(PCP)の危険因子を明らかにすること。【方法】2007年から2017年までのUC患者 1,669例中9例でPCPを発症していた。PCP発症者で retrospective case-control studyを行った。【結果】PCP発症群では,年齢と1日あたりの prednisolone(PSL)投与量が有意に高く(年齢: P=0.02,PSL: P=0.002),免疫抑制系薬剤併用数 3剤が有意に多かった (P=0.004)。治療中リンパ球数は有意に低く(P<0.001),cutoff値は 570/μLであった。【結語】PCP発症の危険因子は高齢,治療中リンパ球数低下,免疫抑制系薬剤併用数3剤であった。これらの症例に対して,sulfamethoxazole/trimethoprimの予防内服を検討すべきである。