日本外科感染症学会雑誌
Online ISSN : 2434-0103
Print ISSN : 1349-5755
原著
当院における免疫抑制治療中の潰瘍性大腸炎に合併したニューモシスチス肺炎に関する臨床的検討:case-control study
佐藤 寿行内野 基横山 陽子應田 義雄樋田 信幸渡邊 憲治堀 和敏三輪 洋人池内 浩基中村 志郎
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2018 年 15 巻 6 号 p. 639-644

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抄録

Ulcerative Colitis (UC)に対する免疫抑制系薬剤で治療中に発症する Pneumocystis Pneumonia(PCP)の危険因子を明らかにすること。【方法】2007年から2017年までのUC患者 1,669例中9例でPCPを発症していた。PCP発症者で retrospective case-control studyを行った。【結果】PCP発症群では,年齢と1日あたりの prednisolone(PSL)投与量が有意に高く(年齢: P=0.02,PSL: P=0.002),免疫抑制系薬剤併用数 3剤が有意に多かった (P=0.004)。治療中リンパ球数は有意に低く(P<0.001),cutoff値は 570/μLであった。【結語】PCP発症の危険因子は高齢,治療中リンパ球数低下,免疫抑制系薬剤併用数3剤であった。これらの症例に対して,sulfamethoxazole/trimethoprimの予防内服を検討すべきである。

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© 2018, 一般社団法人 日本外科感染症学会
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