日本外科感染症学会雑誌
Online ISSN : 2434-0103
Print ISSN : 1349-5755
総説
Tokyo Guidelines(TG)の歩んできた道
日本で作成されたガイドラインが国際的に認められ,使用されるようになった道のり
高田 忠敬吉田 雅博
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2020 年 17 巻 3 号 p. 148-154

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抄録

急性胆管炎・胆囊炎の診療ガイドラインは,海外からTokyo Guidelines(以下,TG)として親しまれている。これは,2003年に厚労省科学医療技術評価総合研究事業での研究班で発足し,共催学会,後援団体の協力をえて出版できた。2005年,第1版(邦文のみ)が出版できた経過を示し,さらに2006年の国際コンセンサス会議を開催し,結果をもとに2007年TG07をJHBPSから世界に発信した。海外の委員たちとは頻回に意見交換を続け,その後も2013年TG13を,2018年TG18を出版し世界へ発信し,共通項として用いられるようになった。さらに時代により進化してきた作成方法や,Evidence–Practice–Cycleをとりいれ,国際共同研究として行ってきた2つのプロジェクト(Lap–Cの術中手術難度を明らかにしてのSafe Stepの提案)と(急性胆道炎の疫学調査)を含んで記載した。いわば,初歩から専門へ(scientificに)の道筋で,今後のTGの改訂に貢献することを期待している。

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© 2020, 一般社団法人 日本外科感染症学会
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