日本外科感染症学会雑誌
Online ISSN : 2434-0103
Print ISSN : 1349-5755
総説
総論:本邦における遠隔感染を含めた消化器外科周術期感染症
JPICS ’15から
新妻 徹
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 19 巻 6 号 p. 400-407

詳細
抄録

術後感染症は周術期合併症の中で大きな比重を占めており,その感染制御は医療従事者の大きな課題である。本邦では従来,術後感染症として手術部位感染(surgical site infection:以下,SSI)のみが調査されることが多かった。消化器外科手術後はSSIに限らず,さまざまな遠隔感染症(remote infection:以下,RI)が発生する。今回われわれは,日本外科感染症学会で行われた術後感染性合併症サーベイランス2015年度特別集計(Japan post-operative infectious complication surveillance in 2015:以下,JPICS ’15)で集積された臨床データを用いて,SSI,RIとともに,耐性菌の保菌症例も含めた術後感染症の検討を行ったので,総論として述べさせていただく。

著者関連情報
© 2023, 一般社団法人 日本外科感染症学会
前の記事 次の記事
feedback
Top