2024 年 21 巻 6 号 p. 371-377
2016年に日本化学療法学会/日本外科感染症学会より術後感染予防抗菌薬適正使用のためのガイドライン(以下,ガイドライン)が発刊され,予防抗菌薬が術式ごとに定められ,術中追加投与の間隔が記されている。福山市民病院では,これまで予防抗菌薬の選択と追加投与は担当医の裁量で行ってきたが,ガイドラインに準拠した抗菌薬使用による手術部位感染症発生への影響と抗菌薬使用量の変化を調査した。2024年1月より,胃癌,結腸・直腸癌の切除術においてガイドラインに準拠して予防抗菌薬を投与することが決定され,薬剤師が支援ツールを用いて投与設計を行った。手術部位感染発生率は薬剤師の介入前/後で16.7%/9.2%(P=0.188)と変化せず,手術1時間あたりの抗菌薬使用本数は介入前/後で0.47本/0.42本(P<0.01)と有意に減少した。今後は支援ツールを用いた処方設計により,ガイドライン遵守率の向上に努める。