現代ファイナンス
Online ISSN : 2433-4464
論文
債券先物のデュレーション公式
岸本 直樹
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ジャーナル オープンアクセス

1997 年 1 巻 p. 69-77

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抄録

長期国債先物契約等の債券先物が,金利感応的なポートフォリオの運用やリスク管理において極めて重要な役割を演じていることは,衆目の一致する点であろう.本論文では,利付債先物契約のデュレーションについて,いくつかの有用な公式を示す.具体的に言えば,まず,ファイナンス文献の一部に見られる利付債先物契約のデュレーション公式が,実は,最割安銘柄の先物受渡日における経過利子が0であることを前提にしていて,そうでない場合には妥当しないことを示す.また,この公式について,最割安銘柄の先物受渡日における経過利子が0でない場合の正しい公式を示す.次に,最割安銘柄のデュレーションをもとに利付債先物契約のデュレーションを直接計算する公式を示し,その式に直感的な解釈を与える.

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© 1997 日本ファイナンス学会/MPTフォーラム
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