現代ファイナンス
Online ISSN : 2433-4464
論文
クレジット・デフォルト・スワップの信用評価調整—計算手法とその適用—
中島 龍一藤井 眞理子
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ジャーナル オープンアクセス

2013 年 33 巻 p. 3-22

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抄録

2007年からの金融危機以降,デリバティブを取引する金融機関でもデフォルトし得ることが認識され,カウンターパーティ・リスクへの関心が高まっている.カウンターパーティ・リスクを管理する手法として,信用評価調整(CVA)と呼ばれるカウンターパーティの信用力の変化によってデリバティブの時価を調整する枠組みが注目されている.本論文では,Brigo/Capponi[2009]によるクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の双方向CVAの計算方法を踏まえ,双方向カウンターパーティ・リスクを考慮したCDSプレミアムレートを効率的に数値計算する手法を示す.また,その計算方法を日本の実データに適用し,日本のCDS市場におけるカウンターパーティ・リスクの影響の程度を実証的に明らかにする.

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© 2013 日本ファイナンス学会/MPTフォーラム
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