日本プライマリ・ケア連合学会誌
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原著
内科外来のうち「初診・予約外外来」を「総合診療外来」へ改称した前後での受診理由の変化
黒澤 聡子松島 雅人三浦 靖彦野村 幸史
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2010 年 33 巻 3 号 p. 238-245

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抄録

【目的】
内科外来のうち「初診・予約外外来」を「総合診療外来」へ改称した前後での受診理由の変化を明らかにする.
【方法】
対象は, 2006年9月から10月までに内科外来のうち「初診・予約外外来」を初診で受診した患者を内科外来群, 2008年9月から10月までに「総合診療外来」を初診で受診した患者を総合診療群として, 各々の患者における受診理由をプライマリ・ケア国際分類第2版 (ICPC-2) に基づいて分類し, 比較した.
【結果】
総数及び性別は, 内科外来群で362名, 男193名, 女169名であり, 総合診療群で376名, 男206名, 女170名であった. 受診者一人あたり内科外来群で1.5±0.8 (mean±SD) 件, 総合診療群で1.7±0.9件の受診理由があり, 総合診療群で統計学的有意に増加していた. しかし, 受診理由全体に対する各系統の割合は改称前後に明らかな有意差は認められなかった.
【結論】
内科外来のうち「初診・予約外外来」を「総合診療外来」へ改称した前後では, 受診者一人あたりの受診理由数は若干増加したものの, 受診理由の内容には明らかな変化が認められなかった.

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© 2010 一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
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