抄録
【目的】
深刻な問題である老老介護の現状と, 老老介護世帯の主介護者の介護負担感と関連要因を明らかにする.
【方法】
茨城県南西部において65歳以上の高齢者のみで世帯形成し, 介護認定を受けた高齢者が同居している93世帯の主介護者を対象として半構造化面接調査を実施. 主介護者の生活状況, 要介護者の状態, 介護負担感を調査し, 介護負担感との関連について分析を行った.
【結果】
老老介護を行っている主介護者の8割以上が配偶者であり, 約4割が別居家族からの支援の無い世帯であった. また, 主介護者の介護負担感と睡眠時間や主観的健康感, 1日の介護時間, 別居家族からの支援, 要介護者のADL状況, 認知症の周辺症状に関連が認められた.
【結論】
老老介護世帯の主介護者が在宅介護を継続できるよう, 主介護者を対象とした健康促進, 介護時間の軽減や睡眠時間の確保, 要介護者の排泄動作の介助量軽減に繋がる支援の必要性が示唆された.