日本プライマリ・ケア連合学会誌
Online ISSN : 2187-2791
Print ISSN : 2185-2928
ISSN-L : 2185-2928
ジェネラリストに学ぶ診断推論
確率的なとらえ方
福岡 敏雄
著者情報
ジャーナル フリー

2010 年 33 巻 3 号 p. 317-321

詳細
抄録
 確率的な考え方は診断手順として重要な意味を持つ. 確率論の公理はそのまま診断手順のポイントに読み替えることができる. 鑑別診断が一つしか挙げられなければそれが確定診断になる. お互いに併存しないたくさんの鑑別診断を上げられる状況では一つ一つの疾患の確率は低めになる. ある疾患を否定すると, その疾患と併存しない疾患の確率を上げることになる.
さらに, 条件付確率の考えに基づいた, 感度特異度や尤度比の利用によって, それぞれの確率を定量的に論じ正しい診断に迫ることができる.
一方で確率論はなじみの少ない考えであり, 特に初心者や救急外来などでの利用についてはより単純で明快な診断手順の枠組みを, つまずきの元となる態度や思考過程と共に提示することが重要になる. このような診断推論の理論的背景を踏まえることで, 診断過程の言語化・共有化, そして振り返りを容易にし, 改善点や学習ポイントが明確になるという意義もある.
著者関連情報
© 2010 一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
前の記事 次の記事
feedback
Top