日本プライマリ・ケア連合学会誌
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原著(活動報告)
介護老人保健施設における医師の持つ生涯教育ニーズ
一瀬 直日
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2010 年 33 巻 4 号 p. 383-392

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抄録

【目的】国内には約三千の介護老人保健施設 (老健) があり, 利用者の健康を管理する医師が配置されている. 施設担当医の認定はなく, 医療管理を支援する生涯教育プログラムもない. 老健では様々な医療的問題が生じるが, 医療費を介護報酬から支出するため, 安い費用で利用者の安全を最大限守ることが求められている. そこで施設担当医の持つ生涯教育ニーズを調査した.
【方法】質的調査を行った後にアンケートを作成し, 兵庫県下35の老健から医師の持つ学習ニーズと希望する学習形式の回答を得た.
【結果】学習ニーズは「認知症の診断」「認知症周辺症状への対応」「職員教育」に高かった. 希望する学習形式は, 研修会での講義, 書籍・雑誌に多かった. インターネット上の学習サイトの利用希望も4割にみられたが, 医師経験年数40年以上では好まない傾向があった. (回収率31%)
【結論】本結果をふまえ, 老健施設医向けの教育プログラム開発を行いたい.

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© 2010 一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
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