日本プライマリ・ケア連合学会誌
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臨床医学の現在(プライマリ・ケアレビュー)
アレルギー性鼻炎の診断と治療
須藤 敏
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2011 年 34 巻 4 号 p. 355-359

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抄録
 アレルギー性鼻炎は, 通年性アレルギー性鼻炎と, 季節性アレルギー性鼻炎に大別される. 本邦での有病率は通年性アレルギー性鼻炎で10%以上, 季節性アレルギー性鼻炎では15%以上と報告されている. これとは別に, 2008年に全国の耳鼻咽喉科医とその家族の15673名を対象にしたアンケートでは, アレルギー性鼻炎全体の有病率は全国平均で39.4%と高値であり, 年齢的には10歳代から50歳代の広い年齢層で有病率30%を超えていた. また, 1998年にも同様のアンケート調査がなされており, アレルギー性鼻炎全体でみると有病率は29.8%から39.4%に上昇していた.
 医療経済的損失は少なくとも数千億円レベルと推定され, さらに喘息との関連も深く, 喘息患者の約80%が鼻炎を合併しているといわれる. したがって, 日常診療で総合医が診療するケースも比較的多いと考えられる.
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© 2011 一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
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