日本プライマリ・ケア連合学会誌
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原著(研究)
佐久総合病院における地域医療研修の有用性と必要性
—新医師臨床研修制度導入による影響—
山本 亮由井 和也小松 裕和大西 弘高
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2011 年 35 巻 1 号 p. 17-22

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抄録

目的 : 新医師臨床研修制度 (以下新臨研) 導入後, 初期研修における地域医療研修の有用性, 必要性についての評価を行い, これらに影響のある要因を探ること.
方法 : 佐久総合病院で1996~2007年に初期臨床研修を行った医師を対象とした, 質問紙調査.
結果 : 111名に質問紙を発送し, 73名 (65.8%) から回答を得た. 佐久総合病院での初期研修を選んだ理由の割合は, 研修指導体制, 総合診療科・総合外来, 職員の雰囲気の3項目で新臨研導入後有意に増加した. 地域医療研修の有用性は男性で高くオッズ比 (95%CI) が3.77 (1.31~10.9), 必要性は新臨研導入後に低下し, オッズ比は2.99 (1.05~8.55) であった.
結論 : 新臨研導入後, 研修医が当院の初期研修を選ぶ理由として重要視しているものは, 研修プログラムの運営指導体制と院内でジェネラルに診療できる環境であった. プライマリ・ケア重視を打ち出した新臨研導入後, 当院での地域医療研修の必要性は相対的に低下した.

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© 2011 一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
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