日本プライマリ・ケア連合学会誌
Online ISSN : 2187-2791
Print ISSN : 2185-2928
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原著(活動報告)
新たな薬局機能を目指したワーファリンのPT-INR自己測定管理システムの構築
—INRコントロールが可能となった症例—
山村 恵子倉田 寛行重野 克郎長田 孝司足立 雄三長谷川 嘉哉
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2011 年 35 巻 1 号 p. 45-48

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抄録

目的 : 診察時に医師がワーファリン服用患者の最新のPT-INR (Prothrombin Time-International Normalized Ratio : PT-INR) と服薬状況を把握するため, クリニックと薬局の間でPT-INRモニタリング情報共有システムを構築し, システム機能を検証する.
方法 : 患者は医療機関受診前に薬局でPT-INR簡易迅速測定器にてPT-INR自己測定する. 薬局薬剤師はPT-INR, 服薬状況を確認し施設間連絡票 (連絡票) を作成する. 医師は患者から提出された連絡票を参考に診察, 処方を行ない, 連絡票に診察情報を記載し患者に返す. 薬剤師は薬局を再訪した患者が持参した処方せん, 連絡票に基づき調剤, 服薬指導を行なう.
結果 : 薬局にて患者の誤った思い込みによるコンプライアンス不良例を抽出できた. 患者情報の共有により処方量変更なく, 服薬指導にて治療域に到達した.
結果 : 診察時に最新のPT-INR値を患者・医師・薬剤師が共有する本システムは, 通院患者のワーファリン処方量調節の迅速化に有用であり, 患者の利益に寄与すると考えた.

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© 2011 一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
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