抄録
目的 : 回復期リハビリテーション病棟において, 運動器系疾患患者の日常生活機能評価得点と, 退院先との関連および退院先に影響する要因を検討する.
方法 : 回復期リハビリ病棟の運動器系疾患患者184名を対象に, 入・退院時の日常生活機能評価得点を分析した.
結果 : 入院時日常生活機能評価得点が3点以下では全員が自宅退院であった. 退院時得点は全患者の半数以上が0点に改善していたが, 退院先による違いは不明確であった. 退院先のうち非自宅退院となることに影響を与える要因を検討するため, 多重ロジスティック回帰分析を行った. その結果, 家族人数 (OR=0.428, 95%CI 0.229-0.797) と退院時日常生活機能評価得点 (OR=1.340, 95%CI 1.046-1.716) が影響因子であった.
結論 : 入院時日常生活機能評価得点が3点以下は自宅群の可能性が高く, 入院時に退院先の予測が可能であることが示唆された. また, 退院先に影響する要因は, 退院時日常生活機能評価得点と家族人数であった.