日本プライマリ・ケア連合学会誌
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原著(研究)
血友病患者に対するホームエクササイズが身体機能と日常生活活動能力に及ぼす影響
後藤 美和竹谷 英之久保田 実芳賀 信彦新田 收
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2014 年 37 巻 1 号 p. 22-26

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抄録

目的 : 血友病患者に対するホームエクササイズ (HE) 効果を検討すること
方法 : 16~60歳の血友病患者にHEを指導し, 12週間の介入前後に身体機能評価と自記式質問紙調査を行った. HEは, 膝伸展筋力の強化と膝屈曲筋群の持続的伸張, 活動量計装着下での身体活動促進とした. 評価項目は, 膝関節の屈曲と伸展の筋力と可動域, modified Functional Reach (mFRT) , 10m歩行, 3分間歩行とした. 調査項目は, 出血頻度と日常生活活動 (ADL) , 生活の質 (HRQOL : SF36) とした.
結果 : 対象は22名で, 平均年齢37.2歳, 86.4%が重症 (凝固因子活性1%未満) であった. 出血頻度の増加なく膝伸展筋力と膝伸展可動域, mFRT, 10m歩行, 3分間歩行, ADL, SF-36の身体機能において有意な改善を得た. 歩行エクササイズ量と3分間歩行変化量は有意に相関していた.
結論 : HEにより身体機能とADLの改善を得た. 身体機能の改善には, 身体活動量向上だけでなく, 個別の機能改善を目的としたエクササイズ指導が必要である.

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© 2014 一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
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