2014 年 37 巻 2 号 p. 112-115
症例は77歳, 男性. 2005年8月より肝細胞癌に対し, 肝動注化学療法の治療中であった. 2006年9月13日に全身倦怠感を自覚し当科を受診. 対症療法を行ったが改善せず翌日再診. 受診後, 突然ショック状態を呈し全身状態の悪化が認められ, さらに経時的に左大腿内側に壊死性筋膜炎の所見を認めた. その後死亡されたが, 血液培養や病巣部培養の結果, A群溶血性連鎖球菌が検出され確定診断に至った. 基礎疾患を有する患者でも初期症状が軽微である場合が多く, 今後の予後改善のためには早期診断対策および各領域での医療連携が必要と考えられた.