日本プライマリ・ケア連合学会誌
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総説
日本におけるPrimary Palliative Care : プライマリ・ケア医によるPrimary Palliative Careの普及と発展
浜野 淳木澤 義之
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2014 年 37 巻 3 号 p. 268-272

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抄録

わが国における死亡者数は, 今後急速に増加することが予想されている. 生命を脅かす疾患を持つ人々への緩和ケアの提供は重要と認識されているものの, 十分に応えられていない可能性が国際的に指摘されている. 近年, “Primary Palliative Care”という概念が国際的に提唱され, プライマリ・ケア医などが, (1) 生命を脅かす疾患を持つ患者をケアする, (2) 疾患の早期から緩和ケア・アプローチを提供する, (3) 身体的, 心理社会的, 社会的, 霊的な側面の全てのニーズに対応する, (4) 地域でEnd of Life Careを提供することを意味する用語として使用されている. 多死時代に向かうわが国において, プライマリ・ケアの現場でわが国の医療システム, 国民性に適したPrimary Palliative Careが構築され, 普及することで患者・家族のニーズに応じて適切な時期に緩和ケアが提供され, 地域社会に貢献できる可能性がある.

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© 2014 一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
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