日本プライマリ・ケア連合学会誌
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活動報告
大学生のインフルエンザ感染予防対策の励行状況と啓発活動の必要性
工藤 欣邦河野 香奈江木戸 芳香兒玉 雅明藤田 長太郎
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2014 年 37 巻 3 号 p. 281-284

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抄録

目的 : 大学生におけるインフルエンザ対策の励行状況を調査し, 今後の感染予防対策に関する啓発活動に役立てることを目的とする.
方法 : 健康診断にて保健管理センターへ来所した大分大学の学生を対象に, インフルエンザワクチンの接種や, 日常生活における感染予防対策の励行に関するアンケート調査を行った.
結果 : 2,752名の学生にアンケートを依頼した. アンケートは2,579名から回収し (回収率93.7%) , 2,489名から有効な回答が得られた (有効回答率96.5%) . 学生のワクチン接種率は21.0%で, 男性19.1%, 女性23.7%と男性の接種率が有意に低かった. 手洗いの励行率は71.7%であったが, うがい, マスクの着用, 人ごみを避ける, の3項目は励行者が半数に満たなかった. また, ワクチン非接種群は接種群と比較して4項目すべての励行率が有意に低かった.
結論 : 大学生のインフルエンザ感染予防対策として, ワクチン接種やうがい, マスクの着用, 人ごみを避けることを励行させるための啓発活動が必要と考えられたが, 男性に対するワクチン接種や, ワクチン非接種者に対する日常生活指導が特に重要と考えられた.

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© 2014 一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
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