抄録
目的 : 大豆摂取による閉経女性の骨粗鬆症予防効果は, 近年多数報告されているが, 望ましい大豆摂取量はまだ定まっていない. 本研究では, 閉経女性の骨粗鬆症予防のための推奨大豆摂取量の提案を試みる.
方法 : 2008年3月から2013年5月までに骨塩量測定した152人のうち, 50人の閉経女性について, 一日あたり大豆摂取当量が20g, 25g, 30gを大豆イソフラボンへの曝露・非曝露の閾値と仮定して, それぞれについて有意に骨塩量十分である割合が高いかを検証した.
結果 : 大豆摂取当量30g以上の群において, 有意に骨塩量十分である者の割合が高かった (p<0.01). 20g, 25gを閾値とした場合は, 有意差がなかった.
結論 : 閉経女性が骨粗鬆症予防効果を得るために十分な大豆摂取当量は一日あたり30gであることが示唆された. 用量依存性に効果が増大することが考えられるが, 上限は食品安全委員会の定めた52.7gである.