2015 年 38 巻 2 号 p. 111-115
目的 : 地域疾病管理推進のために, かかりつけ医が, 適切なタイミングで他の医療機関に紹介する能力を評価する指標を抽出すること.
方法 : 1都会型診療所の2011年9月1日から2012年8月31日までの全紹介症例を分析した. かかりつけ医師が記録した症状や診断を診療録から, また, 専門医によっての最終診断も返信から集積した. 症状や診断名は, ICPC-21)で分類し, 紹介率・入院率・紹介先等も分析した.
結果 : 1ヶ月の平均受診実患者数1402名であり, 平均紹介患者数は23人 (紹介率1.6%) , 紹介した患者の6.75人 (29.1%) が入院した. 紹介患者の症状・疾患は, ICPC-2の章として, AからZまで分布していた. 入院患者は, 肺炎 (R81) 24%, 尿路感染 (U70, U71) 9%, 急性胃腸炎・脱水 (T11,D73) 9%等に診断された.
結論 : 紹介率や入院率, 紹介・入院疾患の分布等をプライマリ・ケアに於けるトリアージ機能の指標として抽出した. これらは, 「医療の質」評価の指標として今後検証すべきである.