日本プライマリ・ケア連合学会誌
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原著(研究)
福島県南相馬市における仮設住宅住民の震災後の生活の特徴
嶋﨑 寛子宮口 英樹石附 智奈美小野田 修一原澤 慶太郎及川 友好金澤 幸夫
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2015 年 38 巻 2 号 p. 131-139

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抄録
目的 : 南相馬市の仮設住宅住民の仕事と余暇の特徴と, 生活と健康関連QOLの関連を明らかにすること.
方法 : 仮設住宅住民115名を対象に, 平成24年8月の1ヶ月の間で以下の調査を行った.
1. 基本情報 (性別, 年齢, 職業, 経済状況)
2. 生活調査 a) 典型的な1日に行う活動と要する時間
b) 各活動は対象者にとって仕事, ADL, 余暇, 休息のいずれに該当するか
3. 健康関連QOL (調査票はSF-36を使用)
結果 : 有効回答は90名 (男性38名, 女性52名, 平均年齢69.9±11.9歳) であった. SF-36は多くの項目で国民標準値を下回った. 仕事において, 男女ともに食事を仕事と捉える者がいた. 余暇において, 女性が余暇と捉える活動は, ボランティア等から提供される活動が多く見られた. 男性が余暇と捉える活動のうち, 提供される活動は少なかった. 生活と健康関連QOLの関連では, 女性は50代以下において余暇時間と負の相関 (r=-0.89) , 70代以上において余暇時間と正の相関が認められた (r=0.48) . 男性では有意な相関は認められなかった.
結論 : 70代以上の女性に対する活動提供は有効である. 男性に対する活動提供の内容を検討する必要がある.
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© 2015 一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
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